未来の命(所長)

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 梅雨に入り、空を見上げれば雨雲がどんより、雨の日が多くなり何となくうっとうしい気分が続きます。その気分を和ましてくれるのが色とりどりの瑞々しい花が咲く紫陽花です。そして、子育てに忙しく飛び交っているのがツバメです。自坊にツバメが巣作りをするようになってから30年ぐらいでしょうか。
 その間ツバメにもいろいろな年がありました。鳥インフルエンザで騒がれている頃は子育ても上手く行かなく一羽か二羽でした。そして折角育ち巣立ちする頃になったら、ヘビに捕られ、その後は何年間かツバメは来ませんでした。
 ツバメも危険な場所と分るのでしょうね。
 待ちに待っていたら、昨年から再び子育てに来るようになりました。
 今年も5羽のヒナが一度に巣立ちました。ツバメも子育てが年々違ってくるような気がします。自然の生き物も少しずつ変化するのでしょうか。
 最近の人間の子育ても我々の頃とは大分違って来ているようです。
 子供への虐待のニュースがとても多いような気がします。折角小さな命を授かりながら、子育てが大変だからとか面倒だからとか、子供が親の言うことを聞かないからとか、親の心境が分りません。
 これも社会の構造が違って来たからでしょうか。と言ってもそれで片付けられるものではありません。
 ツバメはふ化をしてから3週間で巣立ちをしますが、ふ化をしたその頃はヒナに合わせたエサとなる小さな虫と与え、成長に合わせてだんだん大きい虫を運んで来ます。巣立ち前頃になるとトンボも運んできます。また巣立ち4日前位からは言葉(鳴き方)の勉強や飛び方の勉強も親が教育するのです。
私たちもこの世に生まれて来た命を見守り、その命がまた次の世代に立派に繋いでくれることを期待し、未来に向けてお互い助け合い生きて行きたいものです。(所長 青木壯文)

 

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自坊の紫陽花                巣立ち前のツバメたち

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