宗務所書記就任のご挨拶(若槻書記)

 昨年十二月、宗務所書記を拝命いたしました、松江市西持田町洞泉寺住職、若槻哲成と申します。実は昨年十月に晋山式を終えたばかりの私は「住職です」と名乗るのもお恥ずかしいほどまだまだ若輩者でありますのに、この度宗務所のお役までお声かけ頂き恐縮するばかり。これから宗務所業務をデスク左の佐野書記様に教わりながら、四年任期を全うしようと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 さて、宗務所執務帖を過去から読んでみましたら、皆さんテーマはそれぞれ、真面目な話から面白い話まで本当にバラバラ。「何書いたらいいですか」と聞いてみても、「好きなこと書いたらいいよ」と。困るなぁと。平成元年生まれの私は、バリバリのゆとり世代。『ゆとりですがなにか』なんてタイトルのテレビドラマがつくられるほど、その世代の子供たちも大人になりましたが、言われてみると納得してしまうのはその世代の性格。曰く「指示待ち人間」「打たれ弱い」「高望みをしない」さとり世代とも揶揄されるこの特徴がなるほど私は納得してしまう。言われたことが出来ない者は三流、言われたことが出来るようになってようやく二流、とどこかで聞いたこの言葉を思い返すと私はまだまだ三流だなぁと痛感する。とにもかくにもテーマを一から決めるのが苦手な性分なのだろう。何書いたらいいかなぁと悩む私にすんなりと落ち着いたアドバイスが次の句、「別にお坊さんっぽいこと書かなくてもいいよ」これだ、と思いました。過去には愛犬の話や海外旅行の話をアップした回もありました。好きなこと書いたらいいよって言うのは建前ではなく、本当に好きなこと書いていいのだなとストンと落ち着きました。ということでこれから趣味の話を始めます。

 東京2020年オリンピック競技に追加された五種目をご存じだろうか。ソフトボール、空手、スケートボード、サーフィン、そしてスポーツクライミングだ。私は四年ほど前からスポーツクライミングを始めている。まだオリンピック競技に追加される前であったが段々と世間に周知され始めていて各種清涼飲料水のCMでみかけることも増えてきた。スポーツクライミングは三種目に分かれている、「スピード」「ボルダリング」「リード」詳しいそれぞれの説明や概要はどうか東京オリンピックの公式サイトを閲覧して頂きたいのだが、その中でも私は「ボルダリング」の種目を今も続けている。島根県内に6件あるボルダリングのジムも私が始めた頃は1件しかなかった。それがこの数年で立て続けに5件も増えたのは、スポーツクライミングという競技の盛り上がりを表しているようで本当に嬉しく思っている。スポーツクライミングという競技はそもそも室内ではなく屋外、大自然にそのままある本物の岩を登るところに始まっている。その為、伝統的に強いのは、フランスやイタリアなど険しい岩壁が数多くあるヨーロッパ、アルプス山脈周辺の国々である。しかし近年、アジアの選手が力をつけてきており、ワールドカップの上位入賞者には日本人選手も多くなってきている。10代、20代の若手選手がどんどんと力を伸ばすなか、いまも女子ボルダリング界をリードする野口啓代選手は私と同い年だ。ぜひともオリンピックでは頑張って記録を残してもらいたいと思う。

 テニスの錦織圭選手、体操の内村航平選手、サッカーの香川真司選手等々、平成元年生まれの有名なスポーツ選手はたくさんいる。そんな彼らの活躍を今後も自分の励みにしながら、これからも心身ともに健全に過ごしていきたい。平成は終わり令和の時代となる節目の時、なぜか執務帖を趣味の話でしめてしまったが第1回はこんなところだろうと思う。次回は実際に外の岩場を登ることについて。
(書記 若槻)

ページトップに戻る