秋の桜(書記)

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今年の夏は例年に比べても非常に暑く、お盆の棚経でも行く先々で「今年は格別に篤いですね」と言葉を交わしていました。彼岸を迎えて少しづつ涼しい日が続きましたが、ある日にはまた突然として30度近くまで気温があがり、扇風機を仕舞うタイミングも先送りとなりました。そんな日に、いつも愛犬の散歩で通る桜並木の下を歩いていると、いくつか桜の花が咲いていました。急に気温が高くなり、桜の花は咲くタイミングを間違えたようです。

草花は春夏秋冬という季節の移り変わりを感じさせてくれます。私は大して花に詳しいわけではありませんが、散歩をしていて目に入る菜の花やコスモス、彼岸花などは季節が巡っていることを体感させてくれます。

こんな秋の日に桜の花が咲いたのは、話題の取り上げ方によっては、地球の温暖化や異常気象などといった背景がネガティブに伝えられるかもしれません。一瞬そんなこともよぎりましたが、目の前で時期外れに白白とまばらに咲く桜の花は、春に咲き誇る姿とは違って、素朴でちょっと恥ずかしそうな姿で見ている私を優しい気持ちにさせてくれました。私はそちらの気持ちを大切にしたいと思います。

そんな桜並木の下、愛犬は脇目をふらずにグングンと進んでいくのでした。

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