9月の半ば頃、境内の草取りをしているとヨタヨタと近づいてきて座り込む猫を見かけるようになった。
〔挨拶する筆者と猫〕
西持田町は山里豊かな地域で、狐や狸、猪や鹿を見かけることがある。猿と熊はまだ見たことがないが、野犬がうちの観音堂の軒下で子犬を生んでいたこともあった。外飼いの猫もいるそうだが、近所の方に聞いておかないとノラ猫とまったく見分けがつかない。
お檀家さんが言うには
「近所で見たことがある、飼い猫に威嚇されて逃げて行ったやつだ、ノラじゃないか」
「あれは捨て猫じゃないかね、人なれしとる」とのこと
日中はいつも境内で毛づくろい、夜は縁側で丸まって寝ている。何度か餌付けしているうちに毎朝毎晩玄関まで入ってくるようになったので、病院につれていき去勢することにした。体が小さいので子猫かと思いきや、獣医さんによると最低でも10才だそうだ。思ったよりもおじいちゃん猫で驚かされた。
〔玄関で待つトラ吉〕
血液検査の結果、猫エイズということも分かった。ノラで10年も生きれば十分長生きだと思うが、病気もあるとなると、この猫の余命は長くないかもしれない。
〔向拝でお迎えするトラ吉〕
命名 トラ吉
せめて残りの余生を安らかに生きてほしいものである。
〔置き配の荷物を守るトラ吉〕
書記 若槻哲成