〈カンボジアにふれてみて・・・〉
北海道にも似た平坦な広い大地に点々と森や草原があり、ポツポツとある高床式住居には今の生活を精一杯に、しかも無理なく過ごしている人々が印象的でした。
※シェムリアップの幹線道路沿い。程度の差こそあれ、こんな所があちこちあります。
※プノンペン(首都)のショッピングセンター。都会の発展は目を見張るものがあります。
田舎のゆっくりとした時間の中で生活する人も、シェムリアップやプノンペンのような都会の雑踏の中で生活する人も、それぞれ生活様式は違えど、自由でおおらかで、いい意味でいい加減な気質がカンボジアを作っているんだなと思いました。当初の印象のような「危険な国」といううことはなく(そのような危険なところにあまり行かなかったからかもしれないけど)私のようないい加減な人間にはピッタリで、ふっかけられたり、言ってることが全然違ったり、不具合があっても笑って許せてしまえるような国でした。しかしクメール人の笑顔の裏にはポロ・ポト政権等による内戦や虐殺の悲劇があるんだというのを肌で感じるとなんとも言えない気持ちになります。
※ポル・ポト政権の悲劇は、なかなか一言で説明できるものではありません。シェムリアップにある地雷博物館の日本人ガイドさんに説明をしてもらいましたけど、予備知識なしでただ単純に「悲劇」として認識しているだけでは、理解が難しかったです。帰国後、インターネットや書籍等で少しは勉強しましたが、深く理解するには至っていません。
フランスの植民地、そこからの独立、社会主義、資本主義、共産主義、ベトナム戦争・・・いろんなものが絡み合っての「悲劇」だと思います。ポル・ポトも最初から「悪者」だったのではなく、当時の国王に頼られたり、国民に称賛された時もありました。しかしその影響は、今でもカンボジアに暗い影を落としています。
※平成28年11月23日にポル・ポト政権の元最高幹部二人の終身刑が確定しました。ここからカンボジアはつらい歴史を乗り越え、歩みを進めていくのでしょうか。
※処刑場跡(キリング・フィールド)にある納骨堂。ここは寺院が建立されていました。
私たちが支援をしている子供たちに目を向けると、高いそうなバイクに乗り、いいお店で昼食を取っている若者もいれば、私たちに値切りをされてでも1ドル2ドルを稼ごうとするトゥクトゥクドライバーあんちゃんもいます。きれいな制服を着て自転車やバイクに乗って学校に通う子供もいれば、裸足で徒歩で通う子供もいます。
※自転車に乗る学生さん。自転車に乗れる子供は、まだ裕福な家庭の子供のようです。
遺跡や観光地に行けば、親に連れてこられただろうか、一緒に物売りをしている子供たちがたくさんいます。その子供たちは、英語や日本語、中国語を使ってものを売ってきます。しかしその言葉にはリズムがあって、たぶん推測ですが、子供たちは「売り文句」の言葉の意味は理解をしていないで、歌として音としてその言葉を言っているのだと思います。
※カツアゲをしてるわけではありません。物売りに来られてるところです。
※遺跡のあちらこちらで遊んでいる子供たちもいます。
地雷の被害で手や足を失い、それをさらしながら物乞いをしたり、音楽を奏でて寄付を求めたりしています。
※カンボジア人のアキ・ラー氏が設立した地雷博物館。彼は現在も地雷除去に尽力し、ここで地雷の悲惨さを訴えています。隣に孤児院と学校を併設し、地雷被害で親を失った子供や障がい児等に支援をしています。
まだまだ言い尽くせないけど、それがカンボジアであり、私たちが少しでも支援をすることで安心で幸せにしていく国だと思います。(なんて言ったらおこがましいですが)
とにかくいろんなことを考えさせられた一週間でした。これはメディア等では感じることのできない、現地の空気に触れ、自分の中にある感覚で感じ取ることしかできないことだと思います。
一緒に行った人が「アンコール遺跡に触れると、人生観が変わるらしいですよ~」と言っていた。初めてのカンボジア。人生観が変わるとまでは無いけれど、私は遺跡ではなく、カンボジアの人に触れて考え方が少し変わったかな~と思いました。
遺跡近くの小学校に行きました。子供たちの未来に向かう真剣なまなざし、そして無邪気な笑顔がいっぱいいっぱい増えるのであれば、私たちの行っている支援は間違いではないんだろうなぁ~って感じました。
約1年間かけてこの「執務帖」でカンボジア視察のことを書きましたが、今回で終了にしたいと思います。
来年1月末から2月にかけて、今度はいよいよ本番「いずも曹洞宗青年会カンボジア学校訪問」に行ってきます。次回にその報告もしたいと思います。
って、またカンボジアかよっっ!!
おわり
《番外編》
ずらずらといろんな写真を紹介します。
旧正月、繁華街でのパレード。アリやキリギリス?あとサッカー選手などのオブジェが進んでいきます。クオリティーは低いです。
寺院の中に在る教室の机。落書きは仏さまでした。
寺院でのお説法(ほんとは説戒らしい)風景。皆さん結構自由に参加していて、写ってないところには横になって寝てるような人もいます。
お寺の小僧さんかな。でも、「靴をそろえてあげたから1ドルちょうだい」って言ってきました。
※ゲテモノ閲覧注意!!
屋台で売ってたサソリの素揚げを食べました。カニ味噌みたいな味でしたが、殻が固くて食べにくいです。
カエルの丸焼き。鶏肉みたいなものでした。私が食べたのはおいしかったですが、ツレが食べたのはすごく臭かったです。当たりハズレがあるようです。
ローカルマーケット内部。いろんな食品や日用品等所狭しと並んでいます。生鮮食品は鮮度保証とは少し違う世界のものでした。火を通せば大丈夫!ということかもしれません。
お土産屋さんで値段交渉しているところです。1個で良いのに2個買えってしつこかったです。最後はボディーランゲージと日本語押しで何とかなりました。
1週間お世話になったトゥクトゥクドライバーのあんちゃんとお別れの時にパシャリ!最後は涙ながらに見送ってくれました。私たちの中では、情にもろく、優しいクメール人代表です。