「日本昔ばなしを見て」(西古人権主事)

時々YouTubeで、日本昔ばなしを見ることがあります。映像となんとなく心がホッと

するナレーションに懐かしさを感じております。

 

「昔昔あるところに、おじいさん・おばあさんが住んでいました」

と始まることがよくあり、そしてこのようなお話があります。

 

例えば何かの節目の前に、準備したくてもお金がなくそろえることが難しい…。家にあるものを売ってお金にし、買ってこようと出かけるが、途中で寒そうにしているお地蔵さんに持っているものを施して、何も買わずに戻ってくる。それは良いことをしたと、何もなくても元気に過ごせることに感謝しながら休む。夜遅くに何か物音がすると、沢山の品が届けられていて、おじいさん・おばあさん幸せに暮らしましたとさ。

 

 似たよう内容のお話が色々あるなと思い、Aと話していると

 「こういうお話って、若いときに良いことをしておけば早くから幸せに暮らせるんじゃないかな」と言いました。それを聞いたBが、

 「一度良いことをしたから、何か戻ってきたのではなくて、このおじいさん・おばあさんも若い時から良いことを積み重ねてきたことが、今回につながったのだと思うよ。幸せになった家を見て、自分も同じことを一回だけやって見返りを求める人は後味悪くなる話が多いよね」と言いました。

 

 このおじいさん・おばあさんも見返りを求めて、色々な行いを積み重ねてきたわけではないでしょう。ただ相手が喜んでくれたら嬉しいなとの思いで積み重ねてきただけでしょう。

 日本昔ばなしを見ながら、見返りを求めず、日々の積み重ねの大切さを伝えているのかなと感じた昨今です。

 

       なんてことのない作業が この世界を回り回って
       何処の誰かも知らない人の笑い声を作ってゆく

 

(人権擁護推進主事 西古孝志)

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