人工知能はこわいもの?(森田書記)

世間で今大注目の「生成AI」というものを御存知でしょうか。

AIが学習したデータを元にして画像や動画、音声などまでも簡単に作ってしまう技術で、だれでも簡単に作れてしまう事からも注目が集まっています。

最近のニュースでも、森永卓郎さんや堀江貴文さん、前澤友作さんなどの有名人・著名人を騙った投資詐欺広告が問題になっていました。70歳の会社役員女性は合計7億円をだまし取られたということで大きく取り上げられていました。

こうした有名人を騙った詐欺被害に加え、イラスト・キャラクター業界でも特定のイラストレーターの絵柄をAIに学習させ、酷似したイラストを使用して利益を上げるなどの行為が、著作権的にセーフなのか否かなどといった議論は尽きる事が無いようです。

 

先ごろ中国で立ち上がったとあるAIサービスも、先日ニュースになっていました。

そのサービスとは、亡くなった故人の顔や声をAIによって再現し、ビデオメッセージを作るというものです。

動画では亡くなった子供の顔と声を再現した動画で、両親に語り掛ける様子が映し出されています。

「AIが考えた言葉であり故人への冒涜」「大切な人との別れから目を背けているだけ」等倫理的に問題ありとする声も多く上がっている様子ですが、亡くなった故人ともう一度会いたいという気持ちそのものは、だれにも止められないものだと思います。

「故人の尊厳」まで考えるのであれば、所謂「終活」の一環として、自分が死んだ時に顔や声のデータ使用をあらかじめ許可する旨を明言しておくなどの配慮まで必要になってくるのでしょうか。

またタレントの伊集院光さんはラジオで、もしこのサービスが終了するとなったとき、遺族にとってそれは故人との二度目の別れのようになってしまうのでは、といったコメントもしておられました。

 

AIではありませんが、最近話題になったものでいうと、墓石にQRコードを掘るサービスというものも紹介されていました。

お墓に刻み込まれたQRコードを読み込むと、故人の情報や写真、メッセージ等設定されたデータを表示でき、サーバーが必要ないので永久に残る、というもの。法事などでたまにしかお参りしない親戚さんなどがお墓参りの際にそういった情報を閲覧出来たら確かに面白いかも、とも思いましたが、読み込むだけで表示できてしまうのではプライバシー的に問題があるのでは・・・などと考えてしまうあたり、自分も現代のコンプライアンスに染まってきているなと思ってしまいました。

便利で簡素に変わっていく葬送や法事の在り方のニーズに、我々も対応していかなければならないのを益々感じたところでありました。

書記 森田大裕

参考:

 

 

伊集院光、中国で物議醸す”死者復活”のAI技術に… 「相当大変なことだなって」 – モデルプレス (mdpr.jp)

 

 

故人の思い出をQRで閲覧 永久デジタル墓石サービス | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

 

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