山椒魚の捕獲(岩田所長)

8月の初め盆前の草刈の手伝いに来て貰い、午後の休憩の時、溜桝の中に山椒魚が流れ着いているとの話を聞き、休憩後早速に見に出ると最初はごみに紛れて中々判りづらかったが、ごみを流したりしているうちに正体が表れていき、はっきりしたものではなかったが写真に収めた。

数年前にも他の溜桝で捕獲されたとの話は聞いていたので、上流にいることは知っていたが、まさか実物を見ようとは思いもしなかった。めったに目にする事がない生物を見ることが出来たのは嬉しかったが、山椒魚は特別天然記念物、絶滅危惧種にも指定されているので、無許可で捕獲、飼育は法律で禁止されており、勝手なことも出来ない中、盆過ぎには稲刈りの為、水路の水が切られてしまうこともあり、このままほっておく置くことも出来ず、取り敢えず市役所に連絡すれば何とかして貰えると考えたが、あいにく土曜日であり仕方なく駐在所に連絡するも不在、しかし木次警察署に転送されていた為、折り返し連絡があり事情を話し対応して貰うことが出来、1時間後市の担当者により捕獲出来、容器に入れられた山椒魚を写真撮りながら色々な話を聞くことが出来た。

山椒魚と名付けられたのは体に山椒の香りがあること。カエル、イモリなどの両生類であるが泳ぐ姿が魚に似ていることから魚の字が当てられた。

日本の他、中国、台湾、アメリカでも生息し日本では数種類が生息している。

縦に裂いた半分を川に戻すと再生して元の戻るという伝説から「はんざき」「はんさき」とも呼ばれている。因みに雲南市吉田の方では、この呼び方をされているようである。

江戸時代には食材として利用され文献にも残されている。実際に食した北大路魯山人は、スッポンを品よくしたような味で中々の美味であったと書き残している。

捕獲出来た物は体調80センチ位で特に大きいものではないものの、オオサンショウウオである。

 

捕獲した後はゴビウスで飼育するのかの問いには、生態系を狂わすので元の川に戻すとのことで水路の上流の地域を教えてあげ放流に向かわれた。

真夏のまだ日が高い中、しばし暑さを忘れて貴重な生物について勉強する機会を得た。

岩田泰成

 

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