料理研究家 辰巳芳子さんにお会いして(上野書記)

 六月に總持寺にて宗務所主催の檀信徒本山研修が開催され、その旅行の途中、鎌倉にて料理研究家の辰巳芳子さんにお会いしました。これは、この秋に開催される宗務所主催の檀信徒研修会の準備のためです。研修会の当日に辰巳さんにお越しいただくことは叶いませんが、事前に玄米スープの作り方を学び、お話を伺うという目的での訪問でした。

 辰巳さんは耳は遠くなられたとのことで、何度かこちらの言ったことを聞き直されることはありましたが、お話されることはしっかりとしておられ、様々なことに気付かされることが多い時間となりました。

 特に印象深かったのは、食材それぞれが持つ特性を存分に引き出すことが大切であり、その良さをいかに引き出すかを常に考えることが料理を作る者にとって求められるという主旨のお話です。私自身は正直、料理をする機会はあまりありませんが、その言葉は食材との関わりに限らず、私達と関わりがあるすべてのものに言えるのではないでしょうか。人と人との関係でも、お互いを否定しあうのではなく、活かしあうこと。また物のあり方を考え、なんでも無闇にムダにしたりしてしまわないことなど、食材、人、物のなすべき役割をしっかりと考えることは、特に今の時代に生きる私たちには大切なことに思います。

 この日の様子は、十一月三十日の宗務所檀信徒研修会でご報告させていただく予定です。で、ご興味がある方はぜひご参加下さい。

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