私の音楽遍歴③(上野人権主事)

 先日、大晦日の紅白歌合戦の出場者が発表されました。私が子供の大晦日は、年越しの準備で慌ただしい中、新聞に掲載されている出演順を見ながらお目当ての歌手の出演時間を楽しみにしていたものです。

 ここ数年は、演歌歌手の出演が減る一方で、「SNSで話題の、、」といった私も知らないような歌手も出演するなど、出演歌手も多彩になったと感じます。それに加えて「幅広い世代が知っている」「今年を代表する曲」というものが減っていることも感じます。

 かつては「お茶の間」で家族揃ってTVを見る時間など、世代を超えて集う時間も多くありました。また90年大には高視聴率のドラマとその主題歌があり、レンタルCDを聴きながらカラオケの練習をして皆で一緒に歌うなど、音楽は多くの人を結ぶ共通の話題でもありました。

 昨今ではネットの普及で個々に興味がある情報に触れて、音楽もサブスクで過去と現在とを縦断しながらさまざまなものに触れることができるなど、生活と音楽の関係性も変わってきました。

 それぞれの曲も、「みんなの歌」よりも「誰かの心に刺さる歌」という内容のものが触れたように感じます。テレビから流れる曲よりも個々のヘッドホンから流れるのが似合う曲というように、音楽そのものの存在感も変わってきたように思います。それによって、個々の好みや価値観の物差しとして、コミュニケーションツールとしての役割も高くなってきています。

 このような流れは、核家族化、iPodの出現やネットとSNSの普及、コロナ禍などのさまざまな要素が影響して今の状況があると思います。この先の未来、AIの進化やデバイスの進化、生活習慣の変化などで音楽と私たちの生活とのつながり方は変わり続けると思いますが、それはひとつの楽しみとして見ていきたいと思います。

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