風薫る、目に青葉の好時節を迎えた。人間は天地の恵みに生かされているが、草木も同様であり、今の時期この恵みによって雑草が伸び放題で、境内内外の草取り、草刈りに追われる毎日である。目に見える草を取っても砂の下には予備軍が芽を伸ばし始めている。草刈にしてもまめ科の草は刈り取って枯れたとしても種だけは子孫の為にしっかりと生き残っているし、根まで刈り取ることは出来ず、そのまま根を張り次に備えている。数年前、農家の檀家さんから農業新聞に土すれすれに刈り取ると、負けてなるかと更に根を張ってしまうので、数センチ上を刈ったほうが伸びを抑えることが出来るという記事を教えてもらったことがあるが、果たして結果はどうであったかまでは分からない。どうであれ雑草の力にはかなわず、ただ淡々と作業するしかないようである。
種といえば、一昨年全国仏教徒大会で福島県の三春桜の種を10粒ばかり貰い、こんな小さな粒から本当に芽が出るのか不安であったが、早速にポットに種まきをし、冬の間は多少の水やりをしながら室内で見守ってきた。穏やかな気候になったのを機に庭に出し水やりをしていたが一向に芽が出ず枯らしたかと思っていたところ、思いがけず大量の雨により
一気に芽生え始め、自然の雨の力にはかなわないのかと感心したものであった。今年3回目の植え替えをし順調な成長を願っているところである。
今一つ種について言えば、数年前に枇杷の種を植えたところ、半年くらいで芽が出始め
今は5・60センチに伸び、中には1メートル近くになったのもあり、そろそろ地に植え替えようかと言えるものもあり、たくましく成長してきた苗木を楽しみに眺めている日々である。
今一つ楽しみにしているのが、庶務主事さんから貰った白蓮が根付いていつか花開くのを期待している。植えたその池に今年もまたモリアオガエルが卵を産み始めた、すでに10か所はあるが、さらに増えそうでもある、毎年忘れずに帰って来てくれる有難さを目にしながら、日々の疲れを癒されていることに感謝、感謝である。これも年を取ってきたことの表れなのかな。
岩田泰成