車考(副所長)

            車   考

 

本年も大変お世話になりありがとうございました。

 毎日命をあずけている車にも感謝です。無事にあちこち移動ができました。初めて運転した頃は、足や手や心も車もばらばらだったことを思い出しますが、今や「車我(われ)に入り我(われ)車に入る」とでも言いますか、意識しなくても一体で動いています。だから安全なのでしょう。このように一体であればいい仕事や寺院運営も出来るというものです。

 ある方丈様をお送りしたときに「遠回りでいいから、踏切は通らないように」と言われたことがあります。以来なるべく踏切は通らないよう心がけています。また「駐車場の白線内にスムーズにまっすぐ出入り出来なくなったら小さい車のものだよ」と言われたことも印象深く残っています。車は、ひとつ誤ればとても危険な道具ですが安全に心がければこの上なく便利で快適であります。

 運転しているときが唯一自分の時間であります。様々なことを考えたりできます。今日は火曜の出勤日です。自坊と宗務所の所要時間は50分。自己流短歌を考えました。

  まだまだ欲がありまして今朝も鏡を覗いて髭そっている

  人ごみの中をこつこつ歩くビルの谷間の道は灰色

  七十才(しちじゅう)の坂を上り始めたらこの風呂敷も結ばにゃなるまい

 

皆様にとりまして来年が災害や事故のない

幸多い年になりますようお祈りいたします。

 

(副所長 楫野光範)

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