蜂大人覚(若槻書記)

 

あっという間に年の瀬です。宗務所職員の輪番で更新されるこの執務帖は、おおよそ四か月置きに順番が回ってくるのですが、役職の変わらない私はいつも4月・8月・12月です。時候の挨拶も毎回同じになって恐縮ですが、皆様よいお年をお過ごしください。

 

前回のつづき

 

皆様とは違い、よいお年を過ごせないかもしれないミツバチの群れを我が家ではかかえている。8月の執務帖で紹介した巣落ちした群れだが、経過を注意深く確認してきたつもりだ。今年の猛暑で巣板が落ちた群れは他にもあったが、全部の巣板が落ちたこの群れは悲惨である。巣板には貯蔵食糧である蜜と次世代である幼虫が入っているわけだが、その全てが落ちると何もかもやり直し。働きバチが足りない、または巣落ちに巻き込まれて女王蜂が死んでいたらその巣は消滅である。10月中は働きバチが少数飛び交うのを観察できたがどうだろうかと心配していた。

11月下旬、巣の消滅を確認した。箱をあけて中を確認すると再生された巣板はあるがミツバチの姿はなく、スムシ、カメムシ、ゴキブリの住居になっていた。やむなくこの巣箱は解体とした。余分な巣板などを掃除し、来年の春にまた設置することとする。4月~6月頃の分蜂でまた新しい群れが入ってくれることを願うばかりである。

 

 

今年の夏が記録的は猛暑だったこともありますが、巣落ちした事は私の落ち度です。頭の中を様々な思いが巡りました。遺教経に説かれる教えをミツバチに対して思う1年間でした。

 

書記 若槻哲成

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